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NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sを選んだ理由。180-600mmをレンタルして分かったこと

こんにちは!kappa(@kappa10.01)です。

私は動物を撮るのが好きです。ひとくちに動物写真といっても幅があって、近い距離で人との関係性まで写し込むペット写真もあれば、動物園で中距離から撮る写真、そして遠く離れた場所から野生動物を狙う写真もあります。

この中で私が特に好きなのは野生動物の撮影なのですが、これがなかなか難しい。そもそも目当ての動物に会えるとは限りませんし、運よく出会えても距離はたいてい遠く、光や背景といった条件が整っていることもまずありません。こうした問題の一つが、超望遠レンズをどう用意するかという問題です。

そして超望遠レンズ選びが難しいのは、焦点距離や開放F値のスペックだけでは決めきれないところです。撮影地でどこまで歩けるか、公共交通機関で無理なく運べるか。こうした条件も非常に重要になってきます。

1年以上迷った末、私が最終的に選んだのはNIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sでした。検討の中で、比較対象としてNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VRをレンタルし、実際に撮影へ持ち出しています。180mmから600mmまでを1本でカバーできるこのレンズは、野生動物を撮るうえでは理にかなった選択肢です。ただ、免許を持たずフィールドを歩き回る自分の撮り方とは、噛み合わない部分もありました。

この記事では、180-600mmを使って感じたことを出発点に、なぜ最終的に400mm f/4.5という単焦点に落ち着いたのかを整理していきます。

目次

180-600mmを借りてみて感じたこと

数字ほど軽くはなかった

Nikon 商品ページより

180-600mmの質量は三脚座なしで1,955g、三脚座込みで2,140g。600mmまで届くズームレンズとしては、軽い部類に入ります。

ただ、実際に丸一日持ち歩いてみると印象はだいぶ変わりました。被写体を探して歩いていると、かなりの重量を感じます。当時使っていたボディはZ6だったので総重量は2,630gです。Z9で使う場合と比較すると軽いのですが、そのぶんボディとレンズの重量差が大きく、重心がかなりレンズ側に寄ります。肩に下げて歩くとレンズが揺れ、それを押さえながら歩くだけで体力を削られました。

構えたときも同じで、重心が前にあるぶんブレやすく、腕も疲れます。

超望遠ズームとしては軽い、と言ってもやはり2kgは2kgです。一日中フィールドを歩き、しかもシャッターチャンスは一瞬しかない撮影を前提に考えると、この重さを買う決断はなかなかできませんでした。

電車移動だと持ち出す気にならない

もう一つ問題だったのが、そもそもこれを持ち出す気になるかどうかでした。

私は免許を持っていないので、撮影地への移動は基本的にすべて公共交通機関と徒歩です。電車やバスで立ったまま運び、駅から撮影ポイントまで歩く。距離次第では現地に着いた時点で体力を消耗してしまいます。また、それを想像すると、出かける前の段階でレンズを持ち出すこと自体が億劫になってきます。

写真で一番大事なのはフィールドに出た回数、シャッターを切った回数だと思っているので、その回数を減らす方向に働くレンズ選びは避けたいところでした。

何を優先するか、あらためて考えてみる

野生動物を撮るための機動力がほしい

180-600mmを試してみて、結局重くて持ち出す機会が減ってしまうのであれば意味がないと思いました。

改めて自分に必要なものを整理してみると、動物を探して歩ける行動範囲の広さと、不意に訪れたチャンスに反応できる身軽さの2つ、要するに機動力でした。

180-600mmは焦点距離のカバー範囲が広く、超望遠としては価格も抑えられている良いレンズですが、安く手に入れても持ち出さなくなるのでは意味がないので、購入候補からは外すことにしました。

解像力は十分か

私がNikonを好きな理由の一つが、レンズの解像力の高さです。動物を撮るときは特にここを重視しています。毛の一本一本まで写るかどうか。カリカリに解像している写真は大変好みです。

その点、400mm f/4.5はSラインだけあって解像力に不足はありません。ロクヨンやヨンニッパは使ったことがないのでそことの比較はできませんが、十分毛並みの質感まで写ります。

NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S(Z9)の作例
NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S(Z9)の作例(約1400万画素までクロップ)
NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR(Z6)の作例(トリミング済み)

初めての超望遠に、どこまで求めるか

そのうえで、どこまでの機材を求めるかという話になります。超望遠の頂点にあるのはロクヨンやヨンニッパですが、初めての超望遠ということもあるし、そもそも現実的な問題としてロクヨンやヨンニッパは高すぎるというのがあります。

600mm相当がほしいなら、単焦点+テレコンという手もある

ただ、野生動物を撮るうえで、600mmという焦点距離はやはり欲しくなります。というより、被写体によってはほぼ必須です。

ロクヨン(600mm f/4)を買って運用できる環境があるならそれが一番ですが、価格も重量も私には現実的ではありません。となると180-600mmで600mmを手に入れるのが順当に見えます。ただ、もう一つ、軽い単焦点にテレコンバーターを足して焦点距離を伸ばすという方法もあります。

そこで目に留まったのがNIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sでした。このレンズは400mm f/2.8や600mm f/4のように明るさへ振り切った設計ではありません。f/4.5というやや中途半端な開放F値と引き換えに、軽さと小ささを取ったレンズです。ここに1.4倍のテレコンを組み合わせれば560mm f/6.3。最低限必要な焦点距離や明るさを確保しつつ、機動力も手放さずに済むのではないかと考えました。

400mm f/4.5に決めた理由

スペックと価格

Nikon 商品ページより

NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR Sは三脚座なしで1,160g、全長234.5mm。180-600mm(三脚座なし1,955g、全長315.5mm)と比べると800g近く軽く、全長も8cmほど短くなります。大三元の70-200mm f/2.8が1,360g・全長220mmですから、望遠ズームと同じ感覚で持ち出せる重さに400mmが収まっている計算です(2026年4月に出た70-200mmの2型は998gなので、そちらには追い抜かれてしまいましたが)。

Z9(1,340g)と組み合わせても、ボディ込みで2.5kgほどに収まります。Z6+180-600mmの2,630gとほぼ同じ数字ですが、体感はかなり違います。ボディとレンズの重量差が小さいぶん重心が手元寄りになり、歩いているときの揺れも、構えたときのブレも明らかに減ります。

仮に180-600mmをZ9に付けると3.3kgで、しかも重心は前寄りのままです。カタログ上は800gの差ですが、一日持ち歩くことを考えると、この差はそのまま歩ける距離や粘れる時間の差になります。

ちなみに100-400mm f/4.5-5.6 VR Sでも重量は1,355gあるので、Zマウントの超望遠の中でも400mm f/4.5の軽さは際立っています。

180-600mmと並べてみる

今回迷った2本のスペックを整理すると、次のようになります。

NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR SNIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR
焦点距離400mm(単焦点)180-600mm(ズーム)
開放F値f/4.5(固定)f/5.6-6.3(可変)
質量(三脚座なし)1,160g1,955g
全長234.5mm315.5mm
販売価格(ニコンダイレクト・税込・2026/7/11時点)496,100円277,200円
TC-1.4x装着時560mm f/6.3252-840mm f/8-9
TC-2.0x装着時800mm f/9360-1200mm f/11-13

焦点距離の到達点だけを見れば180-600mmが有利ですし、価格差も20万円ほどあります。一方で400mm f/4.5もテレコンを使えば560mm、2倍テレコンなら800mmまで伸ばせるので、届かないわけではありません。

1.4倍テレコンは約220g。足しても1,380gなので、400mm f/4.5の方が軽いことに変わりはありません。

残るネックは価格です。ただ400mm f/4.5は発売からそれなりに年数が経っており、中古なら33万円前後まで下がってきています。180-600mmの新品に数万円を足す程度の予算なので、中古を視野に入れれば手が届かない金額ではありません。

他の軽量超望遠は選択肢に入らないのか

Nikon 商品ページより

NikonはZマウントに移行してから、描写性能だけでなく軽さの面でも魅力的なレンズを揃えています。超望遠でも、ここで取り上げている400mm f/4.5のほかに600mm f/6.3(1,390g)や100-400mm f/4.5-5.6(1,355g)があります。

ただ600mm f/6.3はニコンダイレクトで約79万円とさすがに手が出ず、100-400mm f/4.5-5.6は望遠端の開放F値がf/5.6まで落ちてしまう。それぞれ別の理由で候補から外れました。

テレコンをつけて560mmで使ってみて

実際の重さ

400mm f/4.5にZ TELECONVERTER TC-1.4xを装着すると、レンズとテレコン合わせて1,380g。Z9(1,340g)と組み合わせると総重量は2,720gになります。

Z6+180-600mmが2,630gでしたから、テレコンを足して560mmにした状態でも、ほぼ同じ程度に収まります。それでいて重心はボディ寄りなので、肩にかけて歩いてもあのときのような揺れ方はしません。テレコンを常用しても機動力はほとんど落ちない、というのが使ってみての実感です。

画質やAFはどのくらい劣化するのか

テレコンで気になるのは画質の低下と、AFの速度・精度への影響です。結論から言うと、少なくとも私が撮る範囲では体感できるほどの差はありませんでした。

こちらは夕暮れ時の森の中、ほとんど光が入ってこない場所で、目の前に現れた鳥にとっさにカメラを向けた一枚です。この暗さでもピントは鳥の目を捉えています。

撮って出し
シャドウを持ち上げた写真 瞳にピントが合っている

こちらは三脚を使って撮った写真です。拡大してみても解像の甘さはあまり感じません。引きで見る分には、テレコンによる画質の劣化に気づくことはまずないと思います。

NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S + Z TELECONVERTER TC-1.4x(Z9)の作例
NIKKOR Z 400mm f/4.5 VR S + Z TELECONVERTER TC-1.4x(Z9)の作例(クローズアップ)

DXクロップを足すと840mm相当

さらに焦点距離を伸ばしたいときは、カメラ側のDXクロップを使う手もあります。TC-1.4xで560mmまで伸ばした状態にDXクロップ(約1.5倍)をかけると、840mm相当の画角になります。

Z9は有効画素数4,571万画素なので、DXクロップをかけても1,940万画素ほどが残ります。SNSやブログに載せる分には十分な解像度で、トリミングの延長として気軽に使えます。ただし画素数が減るぶん、後からトリミングする余地は当然狭くなるので、あくまでその場でもう少し寄りたいときの手段という位置づけです。

車を持たない自分に合う選び方

免許なし・公共交通機関が前提なら、軽さを優先したほうがいい

ここまで書いてきたことをまとめると、私が最終的に重視したのは焦点距離の長さそのものよりも、フィールドで一日中歩き回れる重さに収まっているかどうかでした。

車で撮影地の近くまで機材を運べる人であれば、180-600mmのようなある程度重いズームでも大きな問題にはならないと思います。車に機材を置いておけて、撮影ポイントまで担ぐ距離が短ければ、2kg前後の重さはそこまで負担になりません。

一方で、私のように免許を持たず、駅からの徒歩とバス移動が前提になる場合は、機材の重さがその日の行動範囲や粘れる時間に直接影響します。400mm f/4.5+TC-1.4xの組み合わせなら、テレコンを付けても2.7kg程度。この重さなら電車で立っていても、長時間歩いても、そこまで疲れずにすみます。

重量そのものと同じくらい、カメラとレンズの重量バランスも効いてきます。超望遠は焦点距離が長いぶんブレも拡大されるので、重心が手元にあるほど構えが安定し、歩留まりが上がります。撮り直しのきかない相手を撮るときほど、この差は大きく出ます。(ロクヨンクラスになるとそもそも三脚前提だとは思いますが)

焦点距離だけを見れば180-600mmや600mm f/6.3の方が魅力的に映るかもしれません。ただ、どれだけ持ち出せるかという条件を計算に入れないと、買ったあとで出番のないレンズになってしまいます。車を持たず、公共交通機関中心で撮影している人であれば、同じ判断基準が当てはまる場面は多いはずです。

まとめ

180-600mmをレンタルして実際に使ってみたことで、自分が必要としているのは焦点距離の長さだけでなく、フィールドで長時間歩き回れる軽さだと分かりました。そのうえでたどり着いたのが、400mm f/4.5にTC-1.4xを組み合わせるという選択です。

焦点距離では600mmに届く180-600mmの方が有利ですが、テレコンを使えば560mm、DXクロップを足せば840mm相当まで伸ばせるので、実用上の不満はほとんどありません。それよりも、電車移動と徒歩が前提の自分の撮影スタイルでは、総重量2.7kg程度に収まることの方が価値が大きいと感じています。

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